貿易実務検定C級、B級まとめ【独学での勉強時間や難易度、おすすめの過去問】

併願で貿易実務検定C級とB級を受けました。

場所は、東京タワーの真下にある機械振興会館です。

C級の受験者は、学生が多い印象でした。大学生が3、4割占めていた気がします。そして、B級の受験者は社会人の方が多い印象でした。

私が受けていた教室に約50人程度、他にも教室が3、4つほどあったので約150人〜200人はいた気がします。

この記事では、貿易事務の資格として必要不可欠な貿易実務検定C級とB級を独学で勉強し、受験したことから合格までの勉強時間や難易度、おすすめの過去問やテキスト、合格基準、試験の合格率などをまとめました。

そもそも、貿易実務検定とは?

貿易実務検定とは、貿易実務などを行う際に必要な貿易実務の知識、貿易実務英語の知識についてその基礎能力を判定することを目的に行われる検定のことです。

試験内容

  • A級 貿易実務(2時間)、貿易実務英語・貿易マーケティング(1時間10分)
  • B級 貿易実務・貿易マーケティング(1時間45分)、貿易実務英語(1時間)
  • C級 貿易実務(1時間30分)、貿易実務英語(45分)

合格基準・合格点

  • A級 各回毎の基準点(3科目の合計)以上で合格となります。
  • B級 3科目の合計300点満点中、210点(70%)以上で合格となります。
  • C級 2科目の合計200点満点中、160点(80%)以上で合格となります。

受験料

  • A級・・・・12,343円(2015年は9,936円で実施)
  • B級・・・・7,150円
  • C級・・・・5,980円
  • A級、B級併願・・・・17,086円
  • B級、C級併願・・・・13,130円

貿易実務検定C級の難易度

貿易実務検定C級は、1~3年以上の貿易実務レベルです。

定型業務をこなすために必要な知識があることを証明するレベルです。

貿易実務検定C級の合格率

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出典:受験者合格率|日本貿易実務検定協会

上記画像は、日本貿易実務検定協会が公表している受験者合格率になります。

平成10年から始まった試験は、今年で第67回目を迎えます。

  • 受験申込者数:131,966名
  • 実受験者数:112,475名
  • 合格者数:61,085名
  • 合格率:54.30%

上記画像でもわかる通り、第65回を除いては50%台をキープしています。なのでそこまで難しい試験という訳ではありません。少なくとも簿記三級よりは簡単だと言えます。

貿易実務検定B級の難易度

貿易実務検定B級は実務レベル1〜3年のレベルになります。

貿易実務経験者の中堅層を対象としています。

貿易実務検定B級の合格率

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B級もC級同様、平成10年から始まった試験になります。

今年で54回目の試験を迎えます。

  • 受験申込者数:47,445名
  • 実受験者数:38,552名
  • 合格者数:16,292名
  • 合格率:42.20%

B級の方が合格率にばらつきがない結果となっています。

ただ40%前半の数値からわかるとおり、難しい試験だということが伺えると思います。

B級の試験を受けるくらいなので貿易・物流業界への勉強として真剣に受験した人が大半でしょう。にも関わらず、4割の合格率なので難易度は多少高いと言えます。

貿易実務検定A級の難易度

貿易実務検定A級は、3~4年以上の実務経験のレベルです。

貿易実務において判断業務を行うことができる実力を証明するレベルになります。

貿易実務検定A級の合格率

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A級は、平成27年からリニューアルし、「新A級」へと改訂されました。

今年で4回目の開催になります。

  • 受験申込者数:540名
  • 実受験者数:442名
  • 合格者数:123名
  • 合格率:27.80%

データが少ないのでなんとも言えませんが、それでも2割しか合格していないところを見ると相当難しい試験だと思います。

試験結果

自己採点の結果、C級は187点/200点(貿易実務141点/150点、英語46点/50点)

B級は、166点/300点(貿易実務54点/150点、貿易マーケティング34点/50点、英語78点/100点)でした。

貿易実務検定C級の勉強方法と勉強時間(独学)

C級に関しては、日本貿易実務協会が発行しているオフィシャルテキスト(最新貿易実務ベーシックマニュアル)を読んだ後、過去問5回分を3回繰り返し、合格することができました。

過去問と本番の試験で同じような問題が半分程度出ました。笑

勉強時間で言うと、約168時間して上記の結果となりました。

この勉強時間は、「独学」での勉強時間になります。

*下記の画像参照

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勉強時間と記憶の定着は正比例するものではないと思うので、正確には言えませんが、約100〜150時間程の勉強時間で誰でもC級には合格するんじゃないかと感じました。

実際、過去問で8、9割とれるようになったのが、アプリの画像にあるように勉強時間が100時間を超えた2月でした。

合格するには、過去問をひたすら解き、わからなかったらオフィシャルテキストで復習をすることだと思います。

11月、12月では下記の問題集を軽く解いていたんですが、実際の試験問題と出題の仕方が違うので、過去問を購入しました。

効率よく勉強して合格したい場合は、少しお金をかけて過去問を取り寄せるべきだと思います。

C級の貿易実務、貿易実務英語について

貿易実務は、浅く、広い知識が求められます。

例えば、

問1 次の記述について、正しいものは◯印を、誤っているものには✖︎印をつけなさい。

1.  PL保険には、国内PL保険と輸出PL保険があるが、このうち国内PL保険は、PL法が対象とする製造物および加工品に限定されている。

以上の問題はPL保険そのものに関しての質問ですよね。あくまで、全体像に関して質問してきます。

貿易実務英語は、単語の問題が10題、和訳の問題が10題、貿易書類の問題が2題出ます。ここで重要なのは、とにかく過去問にある英単語や熟語を覚えることです。ほぼ全ての問題が語彙力を問うものなので、単語や熟語を知らないと解答できないようになっています。

追記:C級の貿易実務英語の頻出単語をまとめた記事を作成しました。下記記事をご覧下さい。

貿易実務検定B級の勉強方法と勉強時間(独学)

B級に関してですが、本当に論点が細かくC級で培った知識はあまり役立つことはありませんでした。

貿易実務は貿易書類の問題が出題される他に、オフィシャルテキスト(貿易実務ベーシックマニュアル)では掲載されていない問題が出たため撃沈しました。笑 ですが、ベーシックマニュアルから問題が全く出ないというわけではなくてC級とB級の問題が被らないようにテキストの隅に描かれている(=論点が細かい)部分が出題されていました。

B級は1週間(20時間程度)しか勉強しておらず、勉強不足を露呈する結果となりましたが、英語に関してはC級と比べると解きやすかったです。

他の方もブログでおっしゃってるように、単語がわからなくても全体の文から答えが出せる問題が多いと感じましたし、しっかり主語・動詞・述語の順番を理解すれば解けると思います。逆にC級の英語は単語を知らないと答えようがないので。

B級の貿易実務、貿易実務英語、マーケティングについて貿易実務は、C級とは違い論点が細かく、知識を深く知らないと答えられない問題が多かったと思います。

例えば、

問2 ( )内の二つの語句のうち正しいものを選びなさい。

1. 国内PL保険の保険期間は原則として1年間であり、保険者のてん補責任は(A.事故発生ベース  B.損害賠償請求ベース)であり、輸入品の販売時期とは関係ない。

以上のようにC級の問題とは違って、国内PL保険の概要ではなく、詳細について質問してきます。

そのため、B級は深く掘り下げていく勉強になると思います。貿易英語は、英文解釈が10問、英作文(三答択一式)が3問、貿易用語が8問、貿易英語(三答択一式)が15問で構成されています。

ここで大きな問題は、貿易用語の8問で貿易用語を知らないといくら英語ができようが解答できないようになっています。逆に、他の問題は貿易用語をあまりしらなくても解答でき、TOEIC600点以上の方なら7割以上は取れると思います。私自身がそうだったので。なので、そんなに難しくはないと思います。

詳しい貿易英語に関する解説は下記記事をご覧ください。

貿易マーケティングは鬼畜です。笑 貿易ベーシックマニュアルやアドバンストを見ても同じ問題が載っていません。笑

また、過去問とは違う問題が本番では大半を占めていました。そのため、勉強のしようがありませんでした。笑 強いて言うなら、過去問に目を通すや常日頃から時事問題に興味、関心を持つことだと思います。

B級の勉強時間について

結果的には、B級に落ちてしまいましたが感覚的にC級の知識がある状態でB級を受験した場合、もう100時間あれば合格できると感じました。

理由は、書類の問題を理解するのに時間がかかることです。

独学で勉強することが前提なので、書類間の繋がりが想像できないことがあります。

そこをさえ理解すれば、貿易全体の流れをよりリアルに感じることができ、回答にも影響してくるように思います。

追記:その後、約80時間勉強してB級を再受験しましたが落ちてしまいました。笑 その時の試験結果や具体的な勉強時間については下記2つの記事をご覧ください。

B級の勉強方法について

B級の勉強方法についてですが、C級と同様にオフィシャルテキストと過去問を用いての勉強が最も効率的だと思います。

貿易書類の出題範囲もだいたい決まっており、過去問5回分を見た限りでは、5つのパターンは暗記必須になるでしょう。以下が出題が多い問題になります。

  • 信用状(発行条件・発行依頼書も含む)
  • 船荷証券
  • 荷為替手形
  • 航空運送状
  • 貨物海上保険申込書状

以上5点を中心に覚え、それ以外の商業送り状やINVOICEも少し手を加えることができれば高得点が取れると思います。

貿易書類以外の問題は、とにかく過去問をやりこむことだと思います。

これといった勉強方法はありません。

貿易実務検定の難易度

私は簿記3級を持っているんですが、貿易実務検定C級と比べると、簿記の方が難しかった気がします。その理由は、理解力の違いでした。簿記3級は数字を割り出すために仕分けから根本的に理解していないと得点ができないようになっていますよね。しかし、C級の場合は、過去問を暗記していくだけでいいので理解力や基礎習得がそこまで求められません。そのため、ただ暗記するだけの貿易実務の方が合格しやすかったです。

貿易実務検定C級おすすめのテキストと過去問

上記や下記記事でおすすめしているとおり、(株)マウンハーフジャパンで販売しているオフィシャルテキスト(貿易ベーシックマニュアル)とこちらも(株)マウンハーフジャパンで販売している過去問がおすすめです。

C級おすすめのテキスト、オフィシャルテキスト(貿易ベーシックマニュアル)

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最新貿易実務 ベーシックマニュアル|日本貿易実務検定協会

価格が4,300円と少々高いですが、独学で勉強するにはもってこいの教科書になっています。全ての問題を網羅していますし、これさえあれば、他のテキストを購入する必要はないでしょう。

C級おすすめの過去問

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テキスト・問題集 販売(普通為替・現金書留での申込)|日本貿易実務検定協会

私が過去問をおすすめする理由は、過去問で出題される英単語がそのまま試験で出題されるからです。

上記画像にもありますが、一冊1,240円から購入が可能です。

C級の場合、3,4冊購入して英単語と貿易実務を繰り返し解いていけば、落ちることはないでしょう。

貿易実務検定B級おすすめのテキストと過去問

B級を約80時間勉強した結果、「貿易実務アドバンストマニュアル」と「貿易実務検定B級試験問題集」の組み合わせが最強だと実感しました。

以下、簡単な書評になります。

貿易実務アドバンストマニュアル(価格:4,000円)

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日本貿易実務検定協会」が販売している公式テキストになります。

【資格】貿易実務検定C、B級合格のためのおすすめテキスト・問題集・過去問選び」でも書きましたが、貿易マーケティング以外は大体網羅しているテキストになるので過去問でわからない点があったらこのテキストを参照する、を繰り返すことが合格への近道だと思います。

貿易・物流業界を目指されるのであれば、購入しておいて損はないテキストだと思いますし、この一冊を持っておけば他のテキストを購入する必要はないかと思います。

貿易実務検定B級試験問題集(価格:5,960円)

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こちらの過去問も日本貿易協会が出版したものになります。

この過去問は、B級を受験する際に必須になると断言します。

それくらい過去問と本番の試験で出題される問題は似通っています。正直、C級の基礎が完璧な場合、過去問だけでB級は合格できると言ってもいいと思います。

上記以外のおすすめテキスト、過去問、問題集について下記の記事にまとめました。

よろしければご覧下さい。

読者様からの質問を受けるのでお答えします。

オフィシャルテキストや過去問の購入に関して

オフィシャルテキストや過去問は買ったほうがいいですか?値段が高く迷っています。

過去問に関してですが効率的に最短で合格したい場合、絶対に買うべきだと思います。C級の貿易実務では、過去問と同じような問題が本当に半分程度出ました。笑 また、貿易英語の最初の10問やその後の問題も同じ、もしくは似たような問題が出たので必須だと思います。

オフィシャルテキストに関しては、他のテキストを持っていないのでなんとも言えないのが本音です。ですが、オフィシャルテキスト(ベーシックマニュアル)を持っておけばB級にも多少内容がかぶるところがあるため、役に立つと思いますし、B級で出題される貿易書類の問題もかぶる所があります。なので、B級取得も目指しているようでしたら購入を検討されてはいかかでしょうか?

貿易実務検定B級の独学受験に関して

いきなり貿易実務検定B級を独学で受けても合格するでしょうか?

あなたがTOEIC700点以上+200時間以上、貿易実務検定(3教科)の勉強をすることができれば独学で合格できると思います。ただ合格するだけであれば、過去問とオフィシャルテキストを何度も繰り返して解くだけで問題ないと思います。

しかし、私はおすすめしません。貿易実務検定C級をすっ飛ばしてB級を合格することは、BE動詞などの英文法の基礎を疎かにして接続法などの応用を学ぶようなものだと思います。また、C級から勉強することで貿易全体の流れを掴むことへも繋がり、あなたが将来どのポジションで貿易と関わって行きたいかが明確にわかるでしょう。

貿易実務検定の就職への影響力について

貿易実務検定を取得することは、就職活動や就職に有利になるでしょうか?

結論から言うと、「ほんの少し」有利になるぐらいかと思います。現在の私の就職活動を交えてお話したいと思います。また、分かりやすくするために、「試験を通して貿易の知識を得ることで就職が有利になるパターン」と「貿易実務検定を取得することで有利になるパターン」の2つをお話したいと思います。まず、前者の貿易実務検定の知識を習得することで有利になるパターンでは、業界研究の一つになるからです。船会社、乙仲、商社、メーカー、保険会社、買取銀行など多くの会社が間に入り、輸入者と輸出者でのやりとりがなされます。そのため、貿易の流れを覚えることは、ぼやっとした様々な業界を繋げる一つの知識として役立つと感じました。

後者の貿易実務検定を取得することで有利になるパターンでは、貿易事務や商社での海外営業(買い付けや交渉)の際に多少有利になると既卒就活を通して感じました。これは私の実体験なのですが、既卒の私でさえもTOEIC800と貿易実務検定C級を取得していることで書類を通過し、面接へと進むことができたからです。

例えば、船会社や商社、メーカーでの貿易事務で役立つことはもちろん、海外営業をする際でも貿易の知識は必要になります。営業と営業事務がペアを組んで行う海外営業では、営業がある程度の貿易知識を用いて書類の作成をする必要があります。その点で就活では、ほんの少しだけ有利に作用するかもしれません。しかし、採用となるとポテンシャル採用として人材を見るため書類選考を終えた後は、その人自身の面接力にかかっていると思います。勉強すること自体、マイナスになることはないため時間があるなら資格取得を目指してもいいかと思います。

貿易実務検定に関連する就職先について

貿易実務検定と関連する就職先はどこですか?

船会社、乙仲(フォワーダー)、メーカーの輸出部門、商社の貿易事務 、海外営業、小さな貿易会社などが挙げられます。貿易のどの分野で働きたいか調べ、いろいろ会社を受けてみて一番自分に合ったところを選べばいいと思います。乙仲勤務なら通関士とかその辺は経験を積む上で自分に必要な知識は何かが出てくると思います。

貿易実務検定をアプリで勉強しよう!

頻出問題

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